哀愁の矢の川峠
「矢の川峠(矢ノ川峠)」と書いて「やのことうげ」と読む。私やのこ小僧も地元尾鷲からいろいろと情報発信しまっせ!  【 このページの文章、写真は無断で転用しないでください。もしご利用される場合ははやのこ小僧までご一報を!】

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坂下古トンネルのおいたち

日清戦争の後、日本経済の急速な発展に伴い、おもに都市部の建築による木材需要が高まりました。ここ尾鷲でも西方奥地の又口川上流、又口を拠点にして木材の集散が盛んに行なわれるようになりました。
又口では、製材作業、牛馬車や軌道車への積み下ろし作業、伐採植林作業などで常時600人もの人々が働いていました。


明治28年、尾鷲町の林業家たちから、木材搬出のため又口道路【北山道路】の計画が持ち上がりました。
又口から尾鷲までの13kmの道路を造る費用として1万5千円が見込まれた。
最大の難所、梅の木谷上の坂下隧道には4千円の経費が充てられた。
この費用の捻出には、地方税補助や町費補助に加えて有志の寄付金をあてましたが、なお不足の5千円は町債を投入しました。

こうして明治33年3月、坂下古隧道は竣工し、毎日のように木材や木炭を積んだ牛馬車、大八車が列をなして通りました。
坂下隧道0001
竣工間もない坂下隧道、又口側の入り口でトンネルの向こう側は尾鷲

トンネルは維持費に年間300円を要した為、通行料を取る有料トンネルだったようです。

大八車2銭
牛馬車5銭

通常トンネル名が刻まれるはずの扁額には「鬼斧神鑿」【きふじんさく】と彫られています。
鬼神たちが斧や鑿【ノミ】で切り開いた,そういう意味合いがあるのかもしれません。
この文字は当時の三重県官選知事、小倉信近が筆をふるったものです。
坂下隧道0001X1
ポータル中央の扁額に「鬼斧神鑿」の文字が読み取れる
トンネル内に二人の歩荷が写っているが、荷物の多さは半端じゃない、おそらく荷は炭ではないかと思われる


人々のそれほどの思い入れとともに竣工したトンネルも、尾鷲側の弱い地盤による度重なる崩落で通行が遮断されることが多かったようです。
いつしか新トンネルの計画が持ち上がり、明治44年、現坂下隧道の開通に伴い、事実上古トンネルは廃道となります。
そして「鬼斧神鑿」の坂下隧道は、わずか11年でその役割を終え、人々の記憶からは徐々に消え去ってゆきました。

引退後現在までに98年もの歳月が流れたわけですが、トンネルの中に足を踏み入れると今も現役で人や馬車が向こうの入り口から入ってくるかのような錯覚に見舞われます。
トンネル内部全域を丁寧に煉瓦積みした様は、「煉瓦積みのトンネル」という名前がピッタシだと思います。

この悲運な坂下古トンネルをぜひもう一度広く人々に知ってもらうために、私やのこ小僧は有形文化財として登録できないか検討してみたいと思います。
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コメント
この記事へのコメント
こんにちは^^ 気になったのでコメント残しました^^
よろしければ私のブログに遊びに来てください^^:
2008/05/20(火) 01:41:48 | URL | サッカ-小僧 #-[ 編集]
サカゲ解明作戦
こんにちは
三重の奈津子です

サカゲの古隧道、ただならぬ想いがあります。
記事を読ませていただき 勉強になりました。
次の冬に、隧道の先を探りに行こうとたくらんでいます。
もちろん盛松も忘れてはいませんw。

サカゲの現状の様子、アップ楽しみにしております。
2008/05/21(水) 22:13:34 | URL | 奈津子 #-[ 編集]
コメントありがとうです
奈津子さん お久しぶりです

鳥越探索、私もご一緒したかったです

高校生の頃バイクで走破しようとして途中で挫折しました

今度は徒歩でチャレンジしてみようと思います

坂下古トンネル、訪問時はご一報下さい

ご一緒したいと思います

冬と言わずに、何時でもいけますよ

鳥越に比べれば楽勝だと思います
2008/05/22(木) 23:59:39 | URL | やのこ小僧 #Z5cZuFfQ[ 編集]
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